飲料・食品から包装資材まで。
ワンストップで全てが揃う
生産・卸売体制
株式会社ハニーはかき氷用の氷みつで業界トップのシェアを誇る。1955年に「三棹商会」として創業し、氷みつ製造を中核としながら派生商品の製造・販売を通じて徐々に事業を拡大。今では飲料・食品・容器・化学の4つの製造部門を持つ。ポップコーンや綿菓子、シーズニングといった食品のほか、プラスチック容器、シロップ製造から生まれた蒸留水に始まるカーケミカル品など幅広いラインナップが揃う。
また、1997年には実店舗での自社製品の販売と卸売を目的として「パオワールド」をオープン。主な取引相手である商社だけでなく、そこから通じる製品のユーザー、一般消費者にも自社製品を直接届けることができるようになった。❶自社開発品、販売ルートが多岐にわたることは同社の大きな強みだ。
代表取締役社長の三棹健只は「弊社はお客様へ製造品に関連した商材を含めた、あらゆる提案ができます。例えば、かき氷なら氷みつ、氷削機、カップに販促資材など。「ハニーならワンストップで全てが揃います」と自信たっぷりに話す。
独自の販売戦略、提案力が
顧客との密接な関係を構築し、
相乗効果を生む
ハニーがワンストップで商材を揃えられる背景には「先代たちが生き残る戦略を考えた結果」にあるという。そもそも、飲料業界は競合が多く、宮崎だけでは商圏が限られる。差別化や県外販路を開くため関連・派生商品を充実させ、氷みつも流通に適した紙パックを採用。とくに、賞味期限のない包装資材を商品として扱い始めたことは全国へ販路を開くことに大きく影響した。独自の流通網から各地の情報が入るようになり、❷それぞれのニーズを満たした販売戦略を取ることができた。「提案力がつくことでお客様から相談事も増え、お互いに良い関係が構築できる。『今回は何を持ってきたの?』と毎回楽しみにしてくださる方もいます」。
地域に根づいた実店舗であるパオワールドに至っては、❸より親密な関係性が生まれ、人々の社交場になっている。「決して狙ったわけではないのですが商売をする方たちの息抜きの場所になっていますね」。そんな環境でヒットした商品やノウハウを提案営業するなどフィードバックも欠かさない。
「商機を逃さない」アイデアを生む
社内改革、信用を武器に
海外市場へ飛躍する
2019年の代表就任以来、三棹は社内改革に挑んでいる。人手不足が叫ばれるなか、激動の時代を生き残っていくには若手人材の雇用や活躍が期待される。人材が定着するための環境づくりは急務だ。「創業から三棹家が代々経営を担っていますが、我々の意思決定だけで会社が動くわけではない。社員一人ひとりが自主性を発揮できる制度や職場の雰囲気をつくることが大切です」。専門家を交え1年間かけて人事評価制度を策定した。2024年から運用を始め、人材育成に活かす。
また、同社は市場の変化を見据え❹国際規格を3つ取得。信頼獲得のほか認証をバネとした海外への販路開拓を狙う。新商品の開発も怠らない。定番の氷みつは2
年ごとに新味をリリースするほか、2023年には❺ノンアルコール飲料に対する需要からシロップ「warocca(ワロッカ)」を発売した。「弊社は情報と商材の掛け合わせが売りですから、アイデアの飛び交う社風がチャンスを開きます」。宮崎から全国、そして世界へ通用する製品をつくっていく。ハニーのファンは今後ますます増えるだろう。
幅広い商材と生産設備が
商圏を拡大させる
全国に販路を持ち、ユーザーは飲食店や屋台、商業施設や大手チェーン店に及ぶ。またOEM(他社ブランドの製造)を請け負うと同時に、コラボ商品も誕生している。
顧客ニーズを把握した
商品開発力
2007年に発売が始まったシーズニングシリーズ「夢フル」はポテトやポップコーンなど揚げ物への使い勝手の良さから人気が高まり、食材を扱う大手商社6社との取引につながった。
何気ない会話が商品開発、
売り場づくりのヒントに
「こんな商品ない?」「ここが変われば使いやすいのになあ」。パオワールドでは不意に出る顧客の意見に耳を傾け、商品の改善や開発に生かしている。
安心・安全を担保する
国際規格
2008年に品質マネジメント規格「ISO9001」の取得後、2020年には食品安全マネジメントシステム「ISO22000」を、2022年にはそれらの上位にあたる「FSSC22000」を取得。
「飲んだ気になる、ノンアル」がコンセプト
長年のシロップ製造で培った技術を応用し、アルコールの香りを再現した、果汁入りの本格ノンアルコールベースシロップ。本品と炭酸水で1:7の割合が黄金比。