遊んで学ぶ機会の提供。
成長促すおもちゃを
未来を生きる子どもたちへ
子どもの年齢・発達に応じた遊び方で知能や想像力を育む知育玩具。多種多様でどれもユニークなものばかり。宮崎市芳士にある株式会社ドリームブロッサムは世界から選りすぐった玩具の輸入・販売を手がけている。海外取引メーカーは数十社、アメリカ、ベルギー、フランスなど❶世界各国のおもちゃを選定し、取り扱い商材は1,300点以上ある。自社ECサイト「知育玩具.jp」を中心としたネット販売を行うほか、実際に親子で遊んでその魅力を体感してほしいと、❷販売を第一目的としない「ショールーム」も構える。ネット・リアルの両面から玩具で知性を養うことの意義を発信している。
代表取締役を務める長友キャメロンはイギリス・スコットランドの出身。大学卒業後の世界旅行で訪れた南九州に魅せられ、就職先企業の配属により宮崎在住となる。「自分の将来は自分で描きたい」と起業を決意し、2004年に有限会社トラベルマンを設立。英会話教室、書籍・教材ビジネスで築いた販路・流通網を武器に玩具市場にも進出。ポテンシャルを感じ玩具事業に特化したドリームブロッサムを設立した後、2019年にトラベルマンを吸収合併し、会社を一本化させた。
ピンチはチャンス。
変化をきっかけに
次なる市場の扉を開く
「変化は次のチャンスの入口となります。常に臨機応変、変化を喜んで受け入れることが大事です」。そう語る長友は過去に何度も挑戦を続けてきた。起業当初に描いていたアドベンチャーツーリズムはSARS(重症急性呼吸器症候群)の世界的流行により断念。好調だった書籍ビジネスは電子化の脅威に晒された。しかし、それまで築いた取引関係や顧客データを元にアイデアを模索し教具ビジネスを思いつく。アメリカの大手メーカーへ「日本の総代理店にしてほしい」と提案をしたことから取引へ発展。同メーカーの扱う知育玩具を日本向けに最適化させた販売戦略が功を奏し、会社の成長につながった。2023年には新たにペット向け玩具の輸入・販売も開始。好調な伸びを見せ、2024年内に7社との総代理店契約を結ぶ予定だ。「誰よりも早く飛び込む。失敗は勉強代。9回失敗して1回大成功する。それが良い商材を見分ける力をつけます」。
安心して働ける環境を整備。
誰もが公平に
活躍できる職場
同社は社員が安心して働くための環境づくりに力を注いでいる。❸SDGs目標に沿いながら独自の制度を整備。働き方改革やワーク・ライフ・バランスといった言葉が一般に浸透する前から、仕事と家庭の両立を図ってきた。性別問わず育児休暇取得を促し、長友自身2回取得した。先駆的な取り組みとも受け取れるが、長友は❹「当たり前のことをしているだけ」と語る。「当初からサービス残業はNG。会社の利益が上がればボーナスなど社員に還元するのは当然のことです」。同社では女性の役職登用や再雇用も促進するなど多くの女性が活躍している。むしろ、男性の役職を増やすほうが大変だったという。それらの動きの基礎には多様性の尊重があった。「年齢も性別も国籍もセクシャリティも関係なく、みんな一緒で平等のはず。経営者として安心できる職場をつくり、維持することが根本的な仕事だと思っています」。そう語る長友は、毎朝会社の入口で虹色のインクルーシブフラッグを掲げている。
海外を飛び回り、世界基準で市場を見る長友。ドリームブロッサムの躍進はまだまだ続く。
長友先生の
ワールドセレクション
長友自身が世界を飛び回り厳選した玩具を集める。パソコンやスマートフォンなどのデジタル機器を使用しない「ノーデジタル」の知育玩具で親と子が顔を合わせて遊び、学ぶ機会を提供。
知育玩具ショールーム
お客様の集まる場所、身近に知育玩具を感じる場所として生まれた。知育玩具で遊べるほかにも、子育て関連のイベントを無料で開催している。
ドリームブロッサムの
SDGs
特別休暇制度「ファミリーサポート」をはじめ、環境に配慮した梱包資材、社内のペーパーレス化、再生エネルギーの活用、エコ通勤・公共交通機関の促進など“優しさ”であふれた環境を整える。
Giving Month(寄付月間)
2023年12月に実施し、社員からの寄付、1か月間の売上の一部を収集。「当たり前」にあるものを持っていない人々のことを考え、自分たちができることに取り組んだ。寄付額は47万円を超え、国内外被災地等の支援金に充てられる。